子宮頸がん検診は2年に1回でいいの?
二十歳になったら2年に1回子宮頸がん検診を受けましょう。
がん検診の啓発ポスターや宣伝で見かける言葉です。
本当に2年に1回でいいんでしょうか?
私たちは「1年に1回は子宮(頸)がん検診を受けましょう」とお願いしています。
そもそも2年に1回というのは自治体などで行う「対策型検診」での話です。
対策型検診とは、集団全体の死亡率減少を目的として実施するものです。
公費(税金)を使うので、個人個人の健康というよりも、集団としての有効性(死亡率低下)が重視されます。
子宮頸がんは、正常な細胞ががんになるまで、
軽度異形成⇒中等度異形成⇒高度異形成⇒上皮内がん⇒微小浸潤がん⇒
と進行していきます。
軽度異形成で見つかっても、上皮内がんで見つかっても治るので、生命への影響はありません。
つまり死亡率は上がりません。
でも、毎年検診を受けて、できるだけ軽い異常で見つかった方がよいと思いませんか。
それから子宮頸がんの原因はHPVというウイルスです。
HPVの中でも16型と18型は悪性度も高くて、感染力も強い、進行の早いウイルスです。
年に1回の検診でも早期に見つけることができないことがあります。
だからHPVワクチンも受けて欲しいです。
HPVワクチンは3種類ありますが(2価、4価、9価)、
いずれも16型と18型の感染は予防できます。
ワクチンは性交渉を持つ前に接種して欲しいですが、すでに性交渉のある方でも接種の意義はあります。
それからワクチンを接種しても100%子宮頸がんを予防できるわけではないので、性交渉をもったら必ず子宮頸がん検診も受けましょう。