子宮内膜症の原因は?逆流説について
忙しい一週間でした。
子宮内膜症(エンドメトリオーシス)学会のオンライン視聴が24日で終了。
24日の午後は養護教諭向けのオンライン講演会があり、その準備もあって、この一週間は食べる時と寝る時以外は電子カルテとパソコンに向かっているような状態でした。
あっ、鎌倉殿の13人とDCUは観ました。
日曜の夜は家族サービス??の時間なので。
今回の内膜症学会は素晴らしい演題がたくさんありました。
少しずつ紹介していこうと思いますが、本日は逆流説の話です。
子宮内膜症の原因は諸説ありますが、「逆流説」が有力です。
その病院論は今から100年以上前、1927年にSampsonが唱えたもので、Sampson仮説とも言われてます。
月経期には子宮から腟に月経血が流れ出ますが、経血の一部は卵管を通って腹腔内に逆流します。
逆流血に含まれた子宮内膜組織が、腹腔内や卵巣に付着して子宮内膜症が発症するというのが「逆流説」です。
理にかなった説ですが、逆流説だけで説明するには無理があります。
それは次のような理由からです。
経血の逆流は90%の女性でみられる。
しかし、子宮内膜症になる女性は全体の10%。
つまり、経血が逆流しても子宮内膜症にならない女性がいる。
それをどう説明すればいいのか?
う~~ん、確かにその通りだ。
その研究をしている医師たちがいるんですよね。
元子宮内膜症患者としては「ありがとう」と言いたい。
まだまだ研究の途中ではありますが、こんな理由が考えられます。
腹腔内の問題ではないか?
腹腔内のサイトカインとか、増殖因子とか、免疫細胞の研究がなされてます。
難しいですね。
つまり、子宮内膜症の原因は経血の逆流であるが、
腹腔内の環境が影響しているのではないかということです。
今日は難しい話でした。
でも、子宮内膜症の研究を産婦人科医が一生懸命しているということをご理解ください。
それから、私の使命は、子宮内膜症をつくらない(予防する)ことと、早期治療です。
子宮内膜症で辛い思いをする女性を一人でも減らしたいから、一生懸命診療をしています。