HRTで出血が止まらない
HRT(ホルモン補充療法)をしたら出血が止まらなくて・・・
と言って受診される方がいらっしゃいます。
出血を無くすことは難しいですが、
ホルモン剤の使いかたで対応できるかもしれません。
(※ただし子宮筋腫などが原因の場合は出血のコントロールが難しいことがあります。その場合はHRTを中止していただくこともあります。)
少し難しい話になります。
HRTは女性ホルモンのエストロゲンを補充する治療で、
更年期障害の治療や骨粗鬆症の予防効果があります。
注意しなければならないのは、
エストロゲンだけを使っていると
子宮内膜が厚くなり子宮体がんのリスクが高くなるので、
子宮のある方は黄体ホルモンを必ず併用します。
「エストロゲン」には子宮内膜を増殖する作用がありますが、
「黄体ホルモン」はその逆で、
子宮内膜を薄くして子宮体がんを予防します。
HRTの方法には、
周期的投与法と連続投与法というのがあります。
周期的投与法は、
黄体ホルモンを周期的に12~14日間内服する方法で、
出血のコントロールが比較的しやすいです。
連続投与法は、
エストロゲンと黄体ホルモンを一緒に続ける方法で、
薬の使用や管理が簡単です。
出血はいつ起こるかわかりませんが、
全く出血なくHRTを継続できる場合もあります。
それならそれでラッキーです。
連続投与法で出血が止まらない場合は、
出血のコントロールがしやすい周期的投与法に変更してもよいですし、
そのまま継続しても出血量や日数は減っていくと言われています。