エストラーナとコンビパッチ
HRT(ホルモン補充療法)は更年期障害の治療薬です。
エストロゲンという女性ホルモンを少しだけ補うことで症状を緩和することができます。
HRTに使うエストロゲン製剤には、飲み薬、貼り薬、塗り薬があります。
本日は貼り薬についてのお話しです。
貼り薬には「エストラーナ」と「コンビパッチ」があります。
エストラーナはエストロゲンだけ、
コンビパッチにはエストロゲンと黄体ホルモンが入っています。
更年期症状を緩和するのはエストロゲン。
黄体ホルモンって何?
黄体ホルモンは子宮体がんの予防のために併用します。
子宮のある方にエストロゲンを長期に使用すると、
子宮内膜というところが厚くなって、
子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクが高くなります。
そのため子宮がある方には必ず黄体ホルモンを併用します。
エストラーナを使う場合、
子宮がなければエストラーナだけでいいですが、
子宮がある方は体がん予防に黄体ホルモンを内服します。
(短期間であれば子宮があっても黄体ホルモンを使わずに、エストラーナだけで治療する場合もあります。)
一方、コンビパッチには黄体ホルモンが入っているので、
内服の黄体ホルモンを併用する必要はありません。
それならコンビパッチを使えば楽じゃない?と思うかもしれませんが、
最初からコンビパッチを使うと出血のコントロールが難しくなる場合があります。
エストラーナにするか、コンビパッチか、
あるいは内服や塗り薬のエストロゲン製剤もありますが、
どれを使うかは、
年齢、HRT歴、子宮の状態などでご提案させていただきます。