子宮脱の手術について
子宮脱の治療には、経過観察、保存的治療(ペッサリーなど)、手術などがあります。
子宮が下がって出るのだから、
手術で子宮を取ればいいと思うかもしれませんが、それは間違いです。
膀胱や直腸も腟から下がることがあるからです。
実際に子宮筋腫などで子宮を取った方で、
腟から何かが下がる、骨盤臓器脱を起こすことがあります。
私の母も子宮脱で手術をしました。
「はさまった感じで気持ち悪い」とか
「尿の出が悪くて困る」など
よく電話がかかってきましたが、
手術後は全くそのような電話がなくなり、
忘れるくらい調子が良くなったようです。
手術をしてくれた先生に感謝です。
母の手術は子宮を取って、腟の壁を補強する方法です。
最近は腹腔鏡といってお腹に数か所穴をあけて、
子宮を吊り上げる手術が行われるようになりました。
メッシュを使って腟を仙骨ということろに固定する方法です。
従来の手術治療よりも手術時間が長いようですが、
再発が少なく、術後の性交渉のトラブルがほとんどないというメリットがあります。
また、腟の前後を縫い合わせてしまう手術もあります。
この腟閉鎖術は子宮がん検診ができなくなるなどのデメリットがあるため、年齢や状態などを考慮する必要があります。
子宮脱、骨盤臓器脱は命にかかわる病気ではありませんが、
気になるようなら早めに産婦人科にご相談ください。
脱までいかない軽度な下垂程度なら骨盤底筋体操で対応できる場合も多いです。