自己血輸血って何?
「ホワイトドクター」主人公の白夜が希少血液Rh nullという血液型で、そこに謎が隠されていたようですね。
深刻なドラマなので、白夜さんの笑顔が少ないのが残念です。
それから、当院の休憩室では研修医役の高橋文哉くんの話で盛り上がってます。
もっと出番が多いといいのですが、「いつか絶対に主役をするから」とスタッフAさんは言ってます。
さて、本日は自己血輸血についての話です。
自己血輸血とは、手術や分娩の際の出血に備えて、あらかじめ採血保存しておいた自分の血液を輸血する方法です。
通常の分娩でも出血が多くなることはありますが、大量出血が予想される場合は、事前に自己血(自分の血液)を保存しておきます。
例えば、前置胎盤、巨大筋腫合併、多胎、癒着胎盤の可能性がある場合などです。
同種輸血(他人の血液を輸血すること)よりも安全性が高くなります。
自己血輸血のメリットは、自分の血液なので感染症の心配がない。
アレルギーなどの免疫反応の心配もありません。
分娩だけでなく、整形外科の手術などで大量出血が予想される場合も同様です。
デメリットは、採血(貯血)時に気分が悪くなったり、吐き気や冷や汗などの症状が出ることがありますが、病院では注意しながら採血するので心配しないでください。
献血も同じですね。
それから保存のリスクとしては、最長42日間保存ができますが、その間の細菌感染やパッグの破損などに注意しなければなりません。
実際の輸血では、採血した自己血の全部を輸血する必要がない場合は無理に返血しません。
また、自己血だけで足りなければ、日赤などから輸血用血液を取り寄せて、同種輸血をすることもあります。