自己紹介<漢方と私>
診療では漢方治療に力を入れています(保険診療)。
それは、私自身が漢方の効果を実感しているからです。
漢方って本当に効くんだ!と実感したのは31歳の時でした。
何が原因なのかわかりませんが、体(特に手足)に湿疹ができ、痒みに悩まされました。
これに漢方がよく効きました。
今でもたまあに体が痒くなることがありますが、この漢方を一包服用するだけで痒みがひきます。
皮膚炎というのは何となく始まって、ボリボリ掻いている自分の姿で気が付くものですね。
最初は足の一部から始まった湿疹が、またたく間に手足全体、背中お腹まで広がり、ステロイド軟膏だけでは対応できなくなりました。
そこで体質改善も兼ねて漢方を試してみることにしました。
まず温経湯(うんけいとう)を1か月、次に当帰飲子(とうきいんし)、どちらも効果なし。
3番目に飲んだのが「温清飲(うんせいいん)」です。
これが劇的に効きました。
温清飲には乾燥肌を潤す作用と、痒みを抑える作用があり、私の肌にはぴったり合ったようです。
勘違いしないでいただきたいのは、漢方だけで皮膚炎が治ったわけではありません。
皮膚への刺激を減らす努力も必要です。
化繊の衣服が刺激になっていたので、下着、靴下、シャツなど、肌に直接あたるものは綿にしました。
もちろんストッキング+スカートはダメです。
それから入浴は特に注意が必要です。
石鹸で体を洗う、体をこすることも痒みを誘発します。
温清飲と一緒に「加味逍遥散(かみしょうようさん)」を飲んだのもよかったようです。
加味逍遥散はストレスに対応できる漢方の一つです。
ストレスは、痒み=掻きたい衝動と密接に関係しているので、痒みを治療する場合はストレス対策も大切です。
その後、漢方専門医のところで週一回、合計約5年研修させていただきました。
漢方はその人に合ったオーダーメイド処方が基本です。
したがって、同じ症状であっても処方される漢方薬は人によって違うことがあります。
私が処方する漢方は、飲みやすい散剤・顆粒剤・錠剤などです。
保険診療です。
なお、漢方薬では治療が困難なものもありますので、その場合は西洋薬治療を提案させていただきます。
例えば、これも私自身のことですが、高血圧は降圧剤でコントロール良好です。