子宮内膜症と不妊症
1月に開催されたエンドメトリオーシス(子宮内膜症)学会、今年は不妊症関連の発表が多かった気がします。
子宮内膜症は不妊症の原因になります。
子宮内膜症の30~50%が不妊症になると考えられてます。
でも、安心してください。
今は子宮内膜症の良い治療薬があります。
ディナゲスト(ジェノゲスト)という黄体ホルモンの治療薬です。
重症な内膜症の場合は手術が必要になることもありますが、ジェノゲストで痛みを軽減したり、病巣を小さくすることができます。
副作用は不正出血ですが、長く飲み続けることで出血の量も日数も減ってきます。
ジェノゲストはとても効果のある薬ですが、排卵を抑えるので妊娠希望の方には使うことができません。
と、私は思っていたのですが、
最近「ジェノゲストを併用して排卵を誘発する」方法が不妊症専門の施設で行われ始めているようです。
ビックリしました。
「不妊症治療と内膜症悪化の悪循環」を断とうというのです。
妊娠希望で内膜症のホルモン治療を中止した場合、すぐに妊娠できればいいですが、妊娠できなければ、月経痛に苦しみ、内膜症の再燃のリスクも出てきます。
子宮内膜症の患者さんの気持ちにより沿った治療だと感動しました。
不妊症の現場の医師がこんなにも頑張っているのだから、私たち一般産婦人科開業医も頑張らないといけませんね。
低用量ピルなどによる子宮内膜症の予防と、早期介入と早期治療開始です。