産婦人科医ひまわり先生のブログ

低用量ピルとHRT どう違うの?

低用量ピルとHRT どう違うの?

#低用量ピル、月経#更年期、HRT、イソフラボン

低用量ピルとHRT(ホルモン補充療法)

どちらもホルモン剤ですが、どう違うのでしょうか?

今日はとても難しい話になります。

【低用量ピル】

排卵を抑える避妊薬として開発されました。

健康な女性が飲む薬だから安全でなければなりません。

低用量~超低用量化によって安全性は高まってます。

ピルは「エストロゲン」と「黄体ホルモン」の2種類のホルモン配合剤です。

『黄体ホルモン』がベースです。⇒これポイント!

元々は黄体ホルモンだけでつくられました。

研究途中で、黄体ホルモンにエストロゲンを合わせることで、

不正出血の副作用が減り、排卵抑制効果が高まることがわかり、

2種類のホルモン配合剤として開発が進みました。

低用量ピルの効果は?

(1)排卵抑制

排卵痛がなくなる。

卵巣に傷がつかないから卵巣がんのリスクも減る。

(2)黄体ホルモンが子宮内膜を薄くする

内膜が薄くなると、出血量が減ります。

痛みの物質も減って月経痛が楽になる。

一方HRTは、減少したエストロゲンを補う方法です。

【HRT ホルモン補充療法】

更年期症状の治療目的だけでなく、

閉経後の女性の健康増進のために

「すべての女性にエストロゲンを」という時期がありました。

ところが、エストロゲン単独の補充で子宮体がんが増えてしまい、

子宮のある女性には黄体ホルモンを併用するようになりました。

黄体ホルモンを併用することで子宮体がんリスクは減少するので

安心してHRTを開始してください。

【まとめ】

・ピルは黄体ホルモンが主、HRTはエストロゲンが主

・ピルは排卵抑制、HRTは更年期症状改善など

・ホルモン量はピルの方がHRTより5倍くらい多いです

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