低用量ピル 子宮内膜症予防
月経痛の治療で低用量ピルを処方することが増えて
とても喜んでいます。
低用量ピルには月経痛を軽減させる効果だけでなく、
(1)排卵抑制と
(2)子宮内膜を薄くする作用があります。
本日は(2)内膜を薄くすることで予防できる病気の話です。
◆どうして内膜がうすくなるの?◆
ピルにはエストロゲンと黄体ホルモンという2種類のホルモンが入ってます。
黄体ホルモンに子宮内膜を薄くする作用があります。
★子宮体がん(子宮内膜がん)予防★
子宮体がんは内膜が異常に増殖して悪性化したものです。
ピルを飲むと内膜が薄くなって子宮体がんになりにくくなります。
★子宮内膜症予防★
少し難しい話になります。お付き合いください。
子宮内膜症の原因として「逆流説」というのが有力です。
月経時は腟に血液が流れてきますが、
一部卵管を通って腹腔内に逆流します。
逆流した血液の中には剥がれ落ちた子宮内膜細胞もあって、
それが腹腔内や卵巣に生着して
子宮内膜症が発症するというのが「逆流説」です。
そのため月経量が減れば、
逆流する血液も減って、
子宮内膜症になりにくくなります。
ピルを飲むと内膜が薄くなって月経量が減ります。
逆流血も減ります。
子宮内膜症の発症が減ります。
子宮内膜症は痛みの原因になるだけでなく、
不妊症の原因にもなります。
多くの10代~20代女子に低用量ピルを飲んでもらって、
子宮体がんや子宮内膜症を予防して欲しいです。
ピルを飲めない方には
ジェノゲストっていう薬もあります。
ご相談ください。