ミレーナで子宮内膜症の治療はできるのか?
ミレーナは子宮の中に入れる黄体ホルモンの薬です。
言い換えると、黄体ホルモンが付着した装置(器具)を子宮の中に入れて治療します。
元々は避妊具として開発されたのですが、
月経痛を軽くしたり、月経量を減らす効果があるので、月経痛や過多月経の治療薬として使われるようになりました。
私も若い頃に(40代)ミレーナを入れていました。
黄体ホルモンには子宮内膜の増殖を抑える作用があるため、次のような効果があります。
① 月経量を減らす。
② プロスタグランジン(PG)という痛みの物質を減らして、月経痛を改善させる。
※PGは子宮内膜で産生されるので、内膜が薄くなるとPGも減ります。
③ 子宮腺筋症の治療
※子宮腺筋症は、子宮内膜と同じ組織が子宮筋層にできる病気です。
ミレーナの黄体ホルモンが筋層内に放出され、腺筋症の病巣を治療します。
その効果は5年間続きます。
それでは、ミレーナは子宮内膜症に効くのでしょうか?
※子宮内膜症は、子宮内膜と同じ組織が子宮以外の場所にできる病気です。
ミレーナから放出された黄体ホルモンが、子宮筋層を通過して、内膜症の病巣まで届けば効くと思います。
しかし、一般的には卵巣にできた子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)への効果は低い、または期待できない印象を受けます。
実際に、ミレーナ挿入中にチョコレート嚢胞が発症したケースもあります。
月経痛の原因が、腺筋症がメインなのか、内膜症もあるのか、チョコレート嚢胞もあるのか・・・などで、ミレーナ挿入の効果を予測します。
ミレーナを扱ってない施設もありますので、まずは担当医とご相談ください。
残念ながら、松本市城西病院婦人科ではミレーナは扱っておりません。
ごめんなさい。