苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)めまいの漢方
漢方の勉強をしていた頃、
私の師匠は「めまい」を治すのがとても上手でした。
そんな漢方の名医でも耳鳴りは難しいと言ってました。
ということで本日はめまいの漢方の話です。
めまいに使う漢方はいろいろありますが、
更年期のめまいによく使われるのが苓桂朮甘湯です。
苓りょう:茯苓ぶくりょう
桂けい:桂枝けいし
朮じゅつ:蒼朮そうじゅつ
甘かん:甘草かんぞう
4つの薬草からできてます。
茯苓、蒼朮は水分を調節し、
桂枝は気をめぐらせます。
甘草は調和させる目的で様々な処方に入っている薬草です。
苓桂朮甘湯は更年期のめまい(※)によく使われます。
(※めまいの漢方は他にもありますので、証をみながらどの漢方にするか考えます。)
効いているようだけど、効果を上げたいときは
四物湯(しもつとう)という処方を追加します。
苓桂朮甘湯に四物湯を加えると
連珠飲(れんじゅいん)という処方になります。
市販薬の「ルビーナ」という漢方はまさにこの連珠飲です。
ルビーナを飲んだけど、ほてり・のぼせが良くならない
と言って受診される方が時々います。
確かにルビーナの効能には「ほてり、のぼせ、冷え症、疲労倦怠感、めまい、頭痛、不眠、どうき、むくみ、肩こり、腰痛、便秘などの症状があらわれる更年期障害によく効きます」と書いてありますが、
めまいの漢方なのでほてり、のぼせにはあまり効かないかもしれませんね。