乳がん検診と乳腺超音波検査
乳がん検診は40歳以上2年に1回でいい。
マンモグラフィ検査だけでいい。
と思っている方が多いようです。
本当にそうでしょうか?
対策型検診(自治体などで行う公費を使った検診)では、
公費を使って「死亡率が減る」というエビデンス(証拠)があるかどうかで検査内容を決めるようです。
40歳以上2年に1回のマンモグラフィ検査というのは、
それで死亡率が減るというエビデンスがあるからです。
それでは「超音波検査」はどうでしょうか?
40歳以上の超音波検査とマンモグラフィの併用は乳がんの早期発見には有効です。
実際に多くの自治体で乳腺超音波検査が行われています。
1年前に横浜市でも乳腺超音波検査を導入して欲しいと会議で発言したところ、
「がんを早期に発見できても、死亡率を下げるエビデンスはない」と言われてしまいました。
しかし、死亡率減少効果をきちんと証明するには10年程度かかると予測されます。
エビデンス(証拠)は後からついてくるって私は思います。
HPVワクチンがその一例です。
HPV関連がんが減ったという報告の最初は2017年フィンランドからです。
その後続々とスウェーデン、英国、デンマークなどから報告されました。
がん検診も同様で、エビデンスが出るのを待っていていいのかしら?
そう思っていたら、昨年8月の厚労省の「がん検診のあり方に関する検討会」で
「超音波検査による乳がん検診の有効性を検証する」議論がなされてました。
ありがたいことです。
でも、対策型検診で超音波検査導入が明記されるのはいつになるかわかりません。
それから「触診」「自己触診」は死亡率を下げるデータがないといいますが、
自己触診は大事です。
マンモグラフィ検査だけでなく、超音波検査の併用もご検討ください。